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またあなたと共に

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  またあなたと共に 郡山 健次郎  このタイトルに唐突な感じがしたと思います。実は、今月からこれまでのミサのお祈りや所作が変わることになりました。 50年前の公会議でラテン語のミサが日本語に変わり、主の祈りやめでたしのお祈りも何度か変わりました。出来るだけ、日本語本来の美しい響きをどうしたらミサやお祈りに反映させることが出来るだろうかと試行錯誤してきたからです。    主の祈りとめでたしは最終版が完成しましたが、ミサのお祈りだけはこの 50年全く変わることが出来ませんでした。例えば、「主は皆さんとともに」という司祭の呼びかけに信徒は「また司祭とともに」と答えていました。しかし、ラテン語の原文を直訳すると信徒の答えは「あなたの霊とともに」となります。これでは日本語として奇異な感じがしますし、第一意味をなしません。    しかし、フィリピンやアメリカなど英語を話す国ではとっくに「あなたの霊とともに」となっています。英語圏の人々には違和感はないようです。    ともあれ、日本では、最終的にタイトルのようになりました。もちろん、このためだけに 50年もかかったわけではありません。司教団がミサのすべての言葉を一語一語検討してバチカンに送り、裁決を仰ぐという作業が延々と続いたのです。しかも、こうした改訂作業が世界中の教会でなされていたわけで、当然長い時間がかかるわけです。    いずれにしても、こうした牛歩の歩みでも、新しいミサの典礼をようやく執り行うことが出来ることをとても嬉しく思っています。    ところで、 11月は死者の月です。先にみまかった天上の教会で憩う皆さんとも新しいミサを通して交わり、一人でも多くの地上の教会の皆さんがこの新しい息吹に触れることが出来るよう祈ります。  

10月はロザリオの月

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  10 月はロザリオの月   7日(金)は「ロザリオの聖母の記念日」となっています。この記念日の由来について書いてみたいと思います。  ロシアによるウクライナ侵略が続いていますが、マリアさまのこの記念日も実は戦争に関係しています。歴史の授業で聞いたこともあると思いますが、 1571年のレパントの海戦のことです。  当時オスマントルコがトルコをはじめ東欧やエジプトにまで領土を広げヨーロッパを伺うまでになりました。ネットで調べてみると、ヨーロッパをイスラム教徒から守るために教皇の呼びかけによって、ベニス、ゼノア、スペインが同盟してギリシャ沖でなされた会戦のこととあります。  10月 7日のことでした。絵を見ると、戦いはまるで運動会の騎馬戦のようで、1日にして決したようです。劣勢が予想される中での勝利は武器の力ではなく、「マリアさまへのお祈りによって勝ったのだ」ということで、当時の教皇ピオ5世がこの日を「ロザリオの聖母の記念日」と定めたそうです。  実際は両軍合わせて 1万2千人あまりの戦死者が出たそうです。それを思うと、大砲に槍や弓といういわゆる武器によって多くの犠牲者を出すことになる戦争の音頭を教皇がとったというのは今日では考えられないことですね。戦争は領土や国民、信仰を守るのに最善の方法ではなかったはずですが、当時としては何の抵抗もなく戦勝記念日として喜ぶことができたのでしょう。  やはり、ウクライナと重なります。話し合いもできない、力と力のぶつかり合いを周りは、「戦争反対」のプラカードを掲げて無言の行進をしながら見守ることしかできない。もどかしいことですが、殺し合うという人間の愚かさの前にあって人は今も昔も祈ることしかできないというのは本当だと思います。  ロザリオの月にあたり、今月はとくにロシアやミャンマーの独裁者たちの回心のために聖母にロザリオのお祈りを沢山捧げましょう。